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2008年10月10日 (金)

香りとは

かおり」はとても重要なものであり、アロマテラピーにも、この「かおり」がなければ、話をすることができません。 では、なぜ「かおり」が人間にとって大切なのでしょうか?


「かおり」は、鼻という器官に「におい成分」が刺激を与えることによって感じます。人間のもつ他の感覚と違い、嗅覚であるこの「かおり」を感じることは、好むと好まざるにかかわらず、刺激を与えてきます。この感じ方は、性別・人種・年齢・生活習慣など、さまざまな要因によって、異なります。しかし、実は「かおり」を感じることが重要なのではなく、「かおり」に含まれている「におい成分」が体内に取り込まれることが重要なのです。


日本では、「かおり」をあらわす言葉がたくさんあります。

「香り」「薫り」「馨り」「匂い」「臭い」「匂う」「臭う」「嗅ぐ」などなど。 「香り」は花の香りなど、よいにおいに対して使われ、「薫り」は風薫るなど、感触をあらわし、「匂い」は良い香りに、「臭い」は臭気など嫌なものに対してつかわれています。これは、古代より日本人が様々な「かおり」に対して、表現を変えてきたという歴史があります。


「におい」は、現在では、香りの分子が鼻を使って人間の嗅覚を刺激することをいいますが、学者によると、「におい」の「に」は、赤い染料または顔料につかわれた「丹」のことをいい、古語の「にほふ」の「ほ」は、「穂」のことで、穂とは、高く盛り上がった様、周囲より秀でた様をいい、「ほふ」は、動詞の活用家に使われているのだと述べています。


『万葉集』第19には、 「春の苑 くれなゐにほふ 桃の花 した照る道に 出で立つをとめ」 というのがあります。この中の「紅におう」は、目に映る紅色の光景をあらわしています。

浅尾芳之助著の『古文重要単語』によると、「にほふ」という古語の意味は、「香気を放つ」「よい香がする」の他に、「ほんのりと赤みを帯びている」「ほんのりと光が射す」「光を受けて一段と美しく見える」「照り輝く」「光沢があって美しい」「美しい色彩を表す」などの意で、その名詞の「にほひ」も、「ほんのりとした色」「色合」「はなやかさ」「美しさ」「光」「威勢」「活気」「趣」「風情」「刀の刃を研ぎあげたときの刃の膚に現れる模様」「鎧の縅の色が、上から下にしだいに薄くなっているもの」など、いろいろな意味を持ち、とても複雑な言葉です。


「かおり」を表現する言葉がさまざまなのは、この複雑なところからきているのではないでしょうか。逆にいえば、さまざまな行動や表現を「にほふ」という言葉ひとつで表わしていたとも考えられます。その後、「にほふ」という言葉だけでは、表わしきれないために、表現が進化していったのでしょうか。


もともと、「においを嗅ぐ」という行為は、動物の本能のひとつです。動物は、目でみたり耳できいたりするよりも早く、においを嗅ぐことによって、生命の判断を行っています。味方か敵か。食べられるか毒か。異性のにおい。天気のにおい。土のにおい。木々のにおい。あらゆるかおりを嗅ぐことによって、自分たちが生き残る道具として、かおりを使っています。


しかし、人間は二足歩行を始めたときから、地面より鼻が遠くなり、視力に頼る部分が多くなっていくことによって、生命の判断のためにかおりをかぐことが少なくなってしまいました。そのため、人間の体の中でも、においをかぐ大切な器官である「鼻」はなかなか研究されず、2004年になって初めて嗅覚の解明により、ノーベル医学生理学賞を受賞することになります。それほど、嗅覚に対する研究が遅れていたのです。


近代になってやっとその重要性の研究がはじめられた「かおり」ですが、その「かおり成分」を使用して人々に役立てていたことが、古代より東西問わず発見されています。では、どのように使われてきていたのでしょうか?


(ネイチャーテクノロジー社 コラムより)

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